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アキバの正月実況中継 神社にメイド

年末年始、全国から集まったオタクたちが“聖地巡礼”で訪れる秋葉原はどっと混み合う。東京で開催された同人誌即売会「コミックマーケット」に吸い寄せられるのが理由らしい。さて、この時期、アキバではいったい何が起きているのか。大みそかから元旦にかけて秋葉原を歩いてみることにした。そこで見たものとは…私の萌え初めをご紹介しましょう。(安岡一成)

 身を切るような寒さがこたえた大みそかの昼下がり。通りには、大きなカバンやキャリーバッグを転がして歩く人がいつもより目立つ。聞こえる会話から、コミケ帰りの人たちらしい。地方のオタクにとってアキバは“聖地”なのだろうか。壁面に大きくアニメのキャラクターが描かれたビルが立ち並ぶアキバ独特の街並みを写真に収めていた。

 やがて、午前0時が近づくとともに、カウントダウンイベントを行うゲーム店や、メイドカフェの前には続々と人だかりができ始めた。

 JR秋葉原駅電気街口から一番近い、漫画やゲームソフト販売している「ゲーマーズ」前には、数百人のオタクたちが続々と集合。車のボディーにアニメのキャラクターを大きく描いた「痛車」(いたしゃ)で駆けつけるファンも。人出は店の予想を上回り、全員に配布するはずの引換券がすぐになくなった。

 ゲームの主題歌を歌うアーティストや声優などが登場し、いよいよカウントダウン。

 「3、2、1、0!」のかけ声でそのときを迎えた。その後、アーティストのライブや福袋販売などが行われ、熱気は最高潮に達した。

 その後、原稿を書こうとメイドカフェを探して歩いたが…どこも前売りチケット制のイベントを行っており、一見さんはお断り状態。ある有名店では、入り口のガラス扉の向こうから何やら楽しそうなかけ声が聞こえてきた。よく分からないが、ものすごい興奮状態であることだけは伝わってくる。「ああ、うらやましい…」と店を後にした。一方、通りは暗く、歩く人の姿もまばらだった。

一夜明けた元旦、再びJR秋葉原駅の電気街口へ。ビラ配りのメイドは姿を見せなかったが、人出は週末なみだ。

 すぐ近くにある「秋葉原無料案内所」では、縦90センチ、横1・8メートルの大きな絵馬が掲出され、観光客が願い事を書き込んでいた。

 「今年こそコミケ完全制圧」「アキバのメイドさんになりたい」…。いかにもアキバ系らしい願い事がイラストともにめじろ押し。

 私も「【サブカル最前線】のページビューが大きく伸びますように」と書き込んでおいた。

 案内所にいたのは、メイドのわかさん。この日はみこ姿だった。「神田明神に出張案内所を出してて、マスダさんがいますよ」。そう言われると、彼女のファンのためにも行かずにはいられない。そういえば、初詣もまだだったし、一石二鳥だ。

 神田明神(千代田区外神田)は東京の中心地である神田、秋葉原、大手町、丸の内など108の町会の総氏神。江戸総鎮守として尊崇されている。

 正月三が日の参拝客は30万人。仕事始めの4日には約1000社の企業が商売繁盛を祈念しにやってくるそうだ。



 初詣の参拝客でごった返す境内で、せわしなく案内マップを配るマスダさんを発見した。この日はグリーンのメイド服。

 「お参りの後にはアキバにお帰りください、ご主人様」と、言いながらまぶしい笑顔を振りまく彼女に、参拝客のオジサン連中もデレデレだった。

 よく見ると、マスダさんは半袖。「寒いでしょう?」と聞くと、「長袖だとマップをお渡しするときに擦れて汚れてしまい、見た目がよろしくありませんので」。見上げたメイド魂ではありませんか。今年の抱負は「アキバに、ご主人様、お嬢様にご帰宅いただけるように盛り上げていくこと」だそうだ。ハイ、毎日帰宅します!

 それにしても、神社にメイドとはミスマッチなのでは?。同神社の神職、岸川雅範さんは「氏子さんでもありますし、都会の神社ならではということで、アリなのではないでしょうか」。

 アキバに近いだけあって、同神社では珍しい「IT情報安全祈願」のお守りも販売している。パソコンからの情報漏洩(ろうえい)やマシンのフリーズなどが起こらないようにとのものらしい。

 お参りを済ませ、原稿を書くため(本当は萌え初めのため)メイドカフェに。正月で多忙を極めているため撮影はできなかったので見たままをリポートすると…。

 最初の店では突然、メイドが客と早食い競争を始めた。負けた客には罰ゲームとして「ペチッ」と控えめなビンタが浴びせられていた。

 次の店では、正月の特別メニューとしてお雑煮があったので、注文してみた。汁が真っ黒いしょうゆベースのが出てきた。これが東京式なんだろうか?関西暮らしが長い私にはイマイチ。やがて1時間が過ぎたので強制退去となった。

 午後5時には秋葉原を夕闇が包んだ。今年もきっとアキバはアキバらしく私たちを萌えさせてくれるだろう、と確信し、街を後にした。(MSN産経にゅーす)

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